「もしあたしがキティちゃんなら」
2001年5月16日もしあたしがキティちゃんなら
新しいブルーのマフラーを首に巻き
自転車に乗って
南風の中、川辺の道を走ってく
セロファン紙の水面に
豆電球の太陽が映ってキラキラ光る
プラスティックの街に
春が来たんだ
もしあたしがキティちゃんなら
新しい黄色のレインコートを着て
傘はささずに
小雨の降る公園へ散歩に行く
ビニールのチューリップが咲き
電気仕掛けの雀が鳴いている
プラスティックの街に
夕日が沈んでく
ふたごのミミィは
いつも仲良し
パパとママも優しくて
あたしはクラスの人気者
誰もが羨む素敵な暮らし
もしあたしがキティちゃんなら
晴れた朝は学校なんか行かず
高い屋上で雲を見てる
どこにもない思い出を探すため
色とりどりのゼリービーンズを
太陽に翳しながら
プラスティックの街に
蜃気楼がやってくる
もしあたしがキティちゃんなら
さよなら、と誰かに手を振っても
泣いたりしない
心に小さな刺がささっても
痛みなんか感じない
だってあたしには口がない
夜の闇の中で
お話するのはあなただけ
ふたごのミミィは
いつも仲良し
パパとママは優しくて
あたしはクラスの人気者
誰もが羨む素敵な暮らし
もしあたしがキティちゃんなら
もしあたしがキティちゃんなら
コメント