「あぁ、またどう足掻いても、あがいても、時は同じくしてやってきてしまった。」
 
 
 
「さようならという言葉を、私は何度口に出せるだろう?」
 
 
 
「とりあえず数えてみてはどうか。
まず今、これから、私たちは別れるだろう。」

 

「それは初耳だ。」
 

「茶化すな。事実もう過ぎていこうとしていることを、
なぜ、
そこまで、
かなしむのだ。」
 
 
「そんなことをかなしむのは、あわれで、なさけなく、無様なことなのに。」
 
 
「情緒的に感受性だのなんだのと曝け出す馬鹿者の真似をした。」


「真似だって。そう、真似はいつのまにか自分のものにすりかわる。」

「都合よく。」

 
「物事を正確に記憶する術は無いよ。」
 
 
 
「だから見逃すのか。なかったことにするのか。」


「なぜひとびとはそれができるのだ。わからない。」
 
 
 
「君は欠陥品だから。」
 
 
 
「修理は出来ないのか?このままでは生き辛くて叶わない」
 
 
「してもよかろう、だが、そうしたら君は君で無くなる」
 
 
「君が言う、君、つまり私とは、どの私だ。

過去の私か、今の私か、一秒後の私か、明日の私か。」


「私は既に私ではなくなっている。私ではなくなっていくのが
生きていくということ、
なんだろうか?」
 
 
 
「なにもわかっていないのに、どうして疑問ばかり、愚かに、」
 
 
「愚かだからわかっている気がするんだろう。」
 
 
 
「じゃあ君は私を糾弾している気がしているだけなんだ。」
 
 
「生きている気がする。」
 
 
「馬鹿げている。」
 
 
 
「追求とはほんとうに、不幸をもたらすだけのものだな。」
 
 
 
「そんなことをしていても、確実に浪費をしていくのだ。」

 
「今浪費せずいつ浪費するんだ。」

 
「明日かな、明後日かな、一秒後かな。来年かな、三十年後かな。
それまで生きてる気はしていられるかな。」
 
 
「思考をすべて奪われ存在するといえるのか、とか。」
 
 
 
「くるしいのはいやだな、うつくしいものがいいな。」
 
 
「とりあえず眠りましょう。」

「起きるまで。」

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ち

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